2011年3月25日金曜日

東日本大震災:留学先での反応 (2) メルボルンにて

続いてオーストラリア・メルボルンの大学院に留学中の卒業生Tさんから。
オーストラリア国内の報道、大学での反応や募金活動など、詳しく報告してくれました。どうもありがとう!


オーストラリアでも、地震発生から1週間は、ニュースも新聞もラジオも東北地方太平洋沖地震の話題一色でした。やはり原発の話題はこちらの国でも関心が高く、新聞やニュースでも常に新しい話題がアップデートされていました。原発関係に関しては、日本人ほど放射能に対する知識がないためか、嘘の情報もよく耳にしました。オーストラリアでも放射能汚染があるとか、放射能に汚染された地域は、もう人が住むことができないなどといった情報です。

私の大学はとても国際色豊かな大学ですが、どの国の友人も、教授やスタッフの方々も心配をして下さいました。そして、皆口をそろえて、「でも日本人は強いから、大丈夫!」と言って下さいました。私も地震に対する日本人の冷静な対応や、物資や食糧が不足する中でも他人に対する感謝と思いやりを忘れない被災者の方々の姿に感銘を受けました。改めて日本と、日本人を誇りに思います。

私の大学では、地震直後に日本人のために集まりが開かれました。もしも国に帰りたかったり、地震によって経済的に困窮することがあれば、柔軟に帰国や授業料の支払いの延長ができるということでした。
また、日本への交換留学は今学期は全て中止になりました。関西方面の大学では、日本の大学側は受け入れることができると言って下さっていたのですが、こちら側がキャンセルしました。

比較的日本人の少ない大学なのでJapanese Societyなどはないのですが、日本語を勉強している学生はローカルからインターナショナルまで、たくさんいます。

震災後、すぐに佐賀から来ている日本人の友達が指揮をとってくれて、現在までに2回の募金活動をしました。1回目は千羽鶴づくり(もちろん被災地には送れませんが)と募金活動をして、約3500ドルもの募金が集まりました。千羽鶴への関心も高く、1日で1000羽以上の鶴を折ってもらえました。日本人だけではなくて、日本語を学んでいる学生、大学のインターナショナルオフィス、スチューデントユニオンも協力してくれました。特に、日本語を学んでいる学生はとても熱心に活動をしてくれました。

2回目は、お菓子を作成して売ること+募金活動をしました。売上と募金合わせて939ドルを集めることができました。またこの時は、Singapore Societyも協力を申し出てくれて、彼らは私たちとは別に約700ドルを集めてくれました。

また、1回目の活動の際には地元の新聞、ラジオも取材に来ていました。大学のホームページのニュースフィードにも載りました。

来週には、スポーツセンター主催の「Run for Japan」も開催されるようです。

本当にたくさんの方々が、快く募金をしてくださったり、活動に参加して下さいました。

その一方で、自分の中でジレンマもありました。うちの大学には発展途上国から、奨学金をもらって来ている学生も数多くいます。今日本は非常事態で、支援金が必要なのは確かです。しかし、今まで日本は豊かで、食べ物や物資に困ることはほとんどありませんでした。発展途上国から来ている学生にとっては、電気や食糧が不足している状態が当たり前という人もいます。その中で、「なぜ日本のような豊かな国に寄付をしなければいけないのか」という声も聞かれました。

大学での活動とは別で、メルボルン内にある日本語学校でチャリティーバザーが開かれたり、募金活動、イベントも多く開催されるようです。

私たちは今後も、しばらく校内にて毎週募金活動を続けていく予定でいます。

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